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しゅう

 狭い住宅街の道の真ん中に、紅い水溜まりが広がる。その中には、一人の少女が倒れている。辺りには痛々しいブレーキ痕が残され、この場所で起こったことを否が応でも想像させる。
 そんな光景を間近で眺める少年は、その瞳に光を宿さないまま、哀しみと怒りに声を震わせて叫ぶ。
「また……またなのかよ……!」
 強く握りしめた寮の拳から血が流れ出し、目の前の血溜まりに落ちる。その水音に、少女が僅かにピクリと動いた。
「……しゅー……、ちゃん」
「っ! 未咲⁉」
 血溜まりの中から微かに響いた幼馴染の声に、しゅーちゃんと呼ばれた少年が過剰に反応する。自分の服が血に染まるのも顧みず、血溜まりの中に膝をついて少女の手を取る。
「未咲! まだ生きてるのか⁉」
 必死の形相で問いかける少年に、未咲と呼ばれた少女は最期の力を振り絞るように薄く目を開け、答える。
「……ごめん、ね……しゅーちゃん…………」
 言い終えるのと同時、少女の瞳が力尽きたように閉じる。少年の手を僅かに握り返していた手からも、力が抜けていく。
「みさ、き……? お、おい、未咲! しっかりしろよ! 未咲ぃ‼」
 少年の全力の呼びかけにしかし、少女はもうピクリとも反応しない。
「くそっ……くそぉっ‼」
 目の前で消えゆく幼馴染に対して何もできない無力感に打ちひしがれながら、少年は地面を殴りつける。拳がひしゃげる音が響いたが、少年は構わなかった。
「なんで……なんで助けられないんだよ! 僕は一体どうしたらいいんだよ‼ どうしたら未咲を助けられるんだよ‼」
 少年の悲痛な叫びに応えるように、少年の視界を白い光が覆う。その突然の超常現象に、少年は全く動じない。なぜなら、これを経験するのは今回が初めてではないから。
 いつものように、少年の意識が途絶える。次に少年が意識を取り戻したのは、自分の家の、自分の部屋、ベッドの上。
「………………」
 少年は慣れた様子で枕元のデジタル時計を確認する。日付は、あの日からちょうど一週間、前。ひしゃげたはずの拳も、傷一つなく正常そのもの。
「……また、ここに戻ってきたのか……」
 時間が巻き戻るというありえない出来事にも関わらず、やはり少年は驚きの色を少しも見せない。それもそうだろう。だって少年は、この一週間を、既に数えるのが億劫になるほど繰り返しているのだから――


 少年――星野周助は、自身の通う高校の制服に着替えると、自宅を出て隣の家に向かい、インターホンを押す。
『わっ! しゅーちゃん来ちゃった! ゴメン、もうちょっと待ってー!』
 隣家の中から響いてきた焦った声に、周助は小さく溜息を吐く。それは毎朝毎朝バタバタと慌ただしい幼馴染への呆れであると同時に、幼馴染がきちんと生きていることへの安堵でもある。今回も正しく時間が巻き戻っていることを確認した周助は、塀に寄り掛かって幼馴染の準備が完了するのを待つことにする。
 その幼馴染が玄関を飛び出してきたのは、それから約10分後のことだった。
「お待たせしゅーちゃん! ごめんね、結構待った?」
「待った」
「えー。そこは『ううん、全然待ってないよ』とか言おうよ」
「だって実際に十分も待ったし」
「けちー」
 可愛らしく頬を膨らませる少女――天野未咲は、先程まで血溜まりの中で息絶えようとしていた少女と同一人物とは思えないほどピンピンしている。まあ、時間が巻き戻っているので当然だが。
「拗ねてないでさっさと行くぞ。お前のせいで遅刻ギリギリだ」
「あ、ちょっ、置いてかないでよ~」
 先に学校に向けて歩き出した周助を、未咲が慌てて追いかける。大して距離もなかったのですぐに追いつくと、周助の右隣に並んで歩き始める。そこが彼女の定位置である。
「今日のしゅーちゃんはちょっと冷たい気がします」
「……そんなことねえよ。いつも通りだろ」
 そう返しつつも、周助は内心で反省していた。無意識のうちに、募りに募った憤りが漏れ出してしまっていたらしい。何度もこの一週間が繰り返されていることを知らない未咲にはこのことを悟られてはいけないと、周助は気合いを入れ直す。
「それよりお前、今日提出の数学のプリントやったか?」
「え? そんなのあったっけ?」
「お前な……」
 未咲の間の抜けた返しに再び溜め息を吐きつつ、周助は普段通りを装いながら学校を目指した。

 一限目、数学の授業。もう何度聞いたかわからないその授業を全て右から左へと聞き流しながら、周助は今後の行動を考えていた。
(未咲を救うには……今度こそアイツを死なせないためには、僕は何をしたらいい……!)
 どうしても荒ぶる感情を必死で抑えつつ、これまでのループを冷静に振り返る。未咲の死因は、圧倒的にトラックに轢かれることによる事故死が多い。学校帰りの黄昏時、自宅付近の狭い道で、まるでそれが決定事項であるかのように、悲劇が繰り返される。どれだけ注意していようと、帰宅経路を変えようと、いつも未咲だけが撥ねられる。かといって外に出ず、学校をサボって二人でずっと周助の部屋にいても、未咲は階段で足を滑らせて死ぬ。未咲の部屋でも同様。ならばと都内へ遠出をしてみても、未咲はホームから転落し、撥ねられ、週五で止まると噂の総武線を止めてしまう一因を担ってしまうだけ。どれだけ周助が策を講じようと、未咲は運命に導かれるように死んでしまう。もう、抗えないのだろうか。
(……いいや、諦めるな! 僕が諦めたら、未咲は……!)
 大切な人を死なせたくない、大好きな幼馴染を救いたい一心で、周助は頭を回転させ続ける。しかし、当然ながらそう簡単には何も思いつかない。妙案を思いついたようにみえても、それは既にこの長いループの旅の中で実行済、そして失敗済である場合がほとんどで、未咲を救う光にはならない。
(どうすれば……どうすれば未咲は……!)
 何も浮かばないまま、時間だけが無為に過ぎていく。

「……しゅーちゃん、なんか老けた?」
 その日の昼休み。周助の対面に座って弁当を食べながら、未咲が尋ねる。
「……は? なんで?」
「だって、眉間にすっごいしわ寄ってるよ?」
「……まじか」
 未咲の指摘に、周助が眉間を軽く揉む。午前中の授業をすべて無視して考え事をしていたためか、険しい顔になってしまっていたようだ。
「大丈夫? なにか悩みとかあったらきくよ?」
「……いや、大丈夫だ」
 こればっかりは未咲どころか誰にも相談することはできないので、周助はそう答えるしかない。
「そう? ならいいけど。ところで、明日の映画の話なんだけどね」
 周助があまりその辺に触れて欲しくないことを察した未咲が、明日、土曜日の話題を持ち出す。これは、ループの度に戻される本日よりも以前から一緒に行くと約束していたものだ。
「やっぱり私、『アンパン野郎(実写)』を観ようと思うんだ!」
「……そ、そうか」
 その映画は既に何百回と観ているし、壮絶な地雷作であることも知っている周助だったが、今から瞳を輝かせて観るのを楽しみにしている幼馴染を前に、その映画はやめようとか言い出せる周助ではなかった。


 翌日。結局昨日丸一日、何も思いつかずに無駄にした周助だったが、未咲との約束を反故にするわけにはいかないので、待ち合わせ場所の駅前へと向かう。家が隣なのだから待ち合わせも家の前でいいだろうと周助は思うのだが、「それじゃデートっぽくないでしょ!」という未咲に押されてこうなった。ちなみにその未咲はというと、約束の時間を30分過ぎてもまだ駅前に姿を現さない。こんなループの最中だ、未咲に何かあったのではないかと心配になった周助が電話を掛けようとしたその時、ようやく岬が待ち合わせ場所に姿を見せた。
「ごめんしゅーちゃん! 待った?」
「待った」
「あれ、これなんかデジャブ!」
 時間にルーズな幼馴染に前日と同じ返答をしつつ、周助は内心で安堵の息を吐く。今までのループの中で未咲が命を落とす日がずれたことは良くも悪くもないとはいえ、こうも姿が見えないと気が気じゃなくなるのだ。
「ご、ごめんね? 起きてはいたんだけど、着ていく服がなかなか決まらなくて」
「なら、そうメールしてくれればよかっただろ」
「……その発想はなかった」
「……お前な」
 そんな簡単なことすら思いつけないアホの幼馴染に呆れつつ、周助は時計を確認する。
「あー、もう一回目の上映には間に合わないな」
 これから電車やバスを乗り継いで映画館へ向かうとなると、未咲の観たがっている映画の一回目の上映開始時間にはどうやっても間に合いそうになかった。
「うそ⁉ ほ、ほんとごめんね、しゅーちゃん!」
「いや、まあ、別にいいけど」
 周助が心配していたのは映画の上映時間ではなく未咲の安否なので、一回目の上映に間に合わなかろうがなんの問題もなかった。映画の内容も内容だし。
「で、この後どうする? 二回目の上映は昼過ぎだったと思うが」
「そっかぁ……。じゃあ、先にお昼かな」
 その映画を楽しみにしていた未咲はやや残念そうな表情だが、自業自得なので周助もフォローはしない。
 取り敢えず電車、バスを乗り継いで映画館付近までやってきた二人は、その周辺で昼食をとれそうな店を探す。チェーンのファミレスを見つけたので、そこに二人で入店する。まだ昼食には早い時間ということもあって、店内はガラガラだった。
「私、このステーキにしようかな」
「なぜ、昼間からそんなに重いものを……」
 ガッツリ食べる気満々の未咲に対し、あまり食欲のわかない周助は適当にパスタを注文する。ほどなくしてやってきた料理をつつきながら、二人は映画後の予定を話し合う。
「映画って何時くらいに観終わる予定だっけ?」
「3時」
「あ、そんなもんなんだ。じゃあ、そのまま帰るにはちょっとはやいねー」
「どっか寄ってくのか?」
「うーん……あっ、じゃあ、さっき見つけた服屋さんによっていい? そろそろ新しい服が欲しくて」
「……まあ、別にいいけど」
 今でさえ迷って待ち合わせに遅刻するくらい服があるのにまだ買うのか、という苦笑いと共にそう返事をする周助だったが、残念ながら未咲には伝わらなかった。
 映画後の予定も決まり、昼食を完食した二人は、映画館に戻ってチケットを買う。土曜の昼だというのに、この映画を観る人は周助たち以外には誰もいなかった。チケットを入手した後は、隣のカウンターで飲み物を買う。
「ポップコーンのLセット一つ」
「⁉」
 先程ガッツリステーキを食べたはずの幼馴染の驚愕の注文内容に、周助は動揺を隠せない。勿論周助はMサイズのドリンクだけを注文する。ドリンクとポップコーンを受け取った二人は、自分たち以外に誰もいないシアターの真ん中に陣取り、上映開始を待つ。
「どんな映画か楽しみだね!」
「……そうだな」
 映画の内容を一字一句思い出せるくらいこの映画を観ている周助のテンションは、ワクワクが止まらない様子の未咲とは対照的に低い。そんな中、映画の上映が始まる。案の定、周助は爆睡した。

 上映終了直前。3時きっかりに目を覚ました周助は、スクリーンを流れるスタッフロールを寝ぼけ眼で確認しつつ、隣の席の幼馴染の様子をうかがう。幼馴染が涙を流していた。
(……え、そんな内容の映画だったか……⁉)
 これまでのループでは見たことがない光景に、周助は戸惑う。

「み、未咲? 大丈夫か……?」
「え……? あっ、ご、ごめん!」
 周助に言われて初めて自分が泣いていることに気付いたのか、未咲が慌てて涙を拭う。
「いつの間にか泣いちゃってたっ。やっぱりいい映画だったね!」
「……そ、そうか……」
 一体どの辺が泣けたんだろう、と疑問に思う周助だったが、いくら考えても分からないだろうという結論に達し、早々に理解を諦めた。
 そんなことをしているうちにスタッフロールも終わり、上映が終了する。映画館を後にした二人は、映画の感想を語り合いつつ(10割未咲)、約束通り近くの服屋へと向かう。外装・内装共に完全に女子向けであり、周助の居心地の悪さは限界値なのだが、楽しそうに洋服を眺めていく未咲は気付く素振りもない。
「ねっ、しゅーちゃん! これとこれなら、どっちのほうが好き?」
 1時間以上あれでもないこれでもないと悩み抜き、ようやく候補を二つにまで絞ったらしい未咲が、それらを手に周助へ問いかける。一方慣れない空間で長時間待たされた周助は既に疲れ果てていたので、パッと見た直感だけで片方を指さす。
「……こっちのほうが未咲に似合いそう」
「ほんとっ? じゃあ、こっちを買ってくるね!」
 周助が選んだ方の服を嬉しそうに胸に抱き、未咲がレジへと向かう。これでようやくこの空間から解放される、と周助は一息ついた。紙袋を手に未咲が戻ってくると、二人は店を後にする。
「ふーっ、いい買い物したねっ。次に出かけるときはこれ着るから、楽しみにしててね!」
「……ああ、楽しみにしてるよ」
 ……その『次』は、果たしてやってくるのだろうか。
 ふと脳裏をよぎってしまったそんな言葉を、周助は慌てて振り払った。


 翌日、日曜日。学校も出かける用事もない周助は、自分の部屋で独り考え込む。
(今回のループも、今日を除いてあと4日……。早く、何か行動を起こさないと……)
 このまま何もしないでいれば、未咲は100%また死ぬ。だが、やれそうなことはこれまでのループですべてやってきてしまった。それでも未咲が死ぬ運命を覆すことは叶わなかった。だからこそ、周助は未だにこのループの中にいる。回数にして、856回。あらゆる手を尽くしてしかし救えず、幼馴染が死ぬところを周助は目の前で856回も見てきた。とっくに気が狂ってしまっていてもおかしくないが、周助は未咲を救いたいというその一心、その執念だけでここまで耐えてきた。だが……。
(もう……耐えられねえよ……!)
 毎回無力感に打ちひしがれながら、目の前で死にゆく幼馴染を見ていることしかできない。それが、856回。周助にどれだけの覚悟や想いがあろうと、それらを絶望で塗り替えるには十分すぎた。
(でも……だからってどうするんだ……?)
 未咲が死ぬところはもう見たくない。だが、未咲を救う手段は思いつかない。このままでは結局、また未咲が死ぬところを見ることになってしまう。ならば……未咲が死ぬその日の黄昏時、未咲と一緒に居ないようにする? だがそれは……。
(……そんなの、見殺しと変わらないだろうが……‼)
 できれば選びたくない選択肢だった。……しかし、ともすれば未咲を見殺しにするかもしれないこの選択肢を、取るべきかもしれない理由が、実は存在する。それは、今まで周助が考えないようにしてきた可能性で。たとえそれが正しかったとしても、絶対に認めたくない可能性で。だが、それが856回も続いてしまっては、もう考えないわけにはいかない可能性。
 これまでの856回のループの中で、一度たりとも変わらなかったことが二つだけある。一つは、未咲が死ぬ日時。そしてもう一つは……未咲が死ぬそのとき、傍には必ず周助が居たということ。
(……つまり、僕が傍にいるから未咲が死ぬ、という可能性……)
 呪われているのは未咲の運命ではなく、周助の運命。そう取ることも、できてしまう。そしてもしそれが、真実なのだとしたら。
(……やっぱり僕は、未咲と距離を取るべき、なのか……?)
 もし、自分のせいで未咲が死に続けているのだとしたら……それ以上に苦痛なことなんてない。未咲と距離を取るのは嫌だが……大好きな幼馴染と離れるのは死ぬほど嫌だが……!
(……それでアイツが死なない未来が開けると言うのなら……!)
 丸一日を費やした長い葛藤の末、周助は決断する。未咲から、距離を取ることを。


「ちょっとしゅーちゃん! おいてくなんてひどいよ!」
 月曜日、遅刻ギリギリで教室に滑り込んできた未咲が、自分の机に鞄を置くや否や、先に登校していた周助に詰め寄る。
「わ、悪い悪い。きょう提出のプリントを学校に置きっぱなしだったのを今朝思い出して」
「あー……それならしょうがないか。……でも、メールくらいしてくれてもいいでしょ?」
「焦って忘れてた」
「もー、しっかりしてよ。しゅーちゃんのせいで寝坊するところだったんだからね」
「いや、自力で起きろよ……」
 横暴な幼馴染に溜息を吐きつつ、周助は痛みを増す胸を押さえる。未咲と距離を取ることを決めたとはいえ、いきなり絶縁では不自然だし、周助の心も持たない。だから、少しずつ距離を離していくことにした。だが……。
(こんな小さな嘘が、こんなに苦しいのかよ……!)
 未咲との登校を避けるために吐いた、小さな嘘。たったそれだけのことでさえ、こんなにも周助を苦しめる。こんな調子で、未咲との絶縁なんて……。
(……いいや! やらなきゃ、ダメなんだ……! それが、未咲の未来のためなんだ……‼)
 折れそうになる心に、周助は必死にそう言い聞かせた。
 未咲のため。ただその一心で、周助は未咲を避ける度、騙す度に襲う苦しみと闘い続け、耐え続けた。
 そして、その日がやってくる。


 運命の日、七月七日、木曜日。その放課後。周助は放課直後、用事を装って教室を飛び出した。そして、誰も来ない校舎の片隅で時間を潰す。窓から覗く夕陽は、間もなくその姿を完全に水平線の向こうに隠す。黄昏が、訪れる。
(未咲……これで、助かってくれるだろうか……)
 しばらく経っても、今までの様に時間が巻き戻る感覚はやってこない。未咲が救われたのか、ループが終わってしまったのか。それは、確かめてみないと分からない。
(……行くか)
 自分の努力は、苦しみは、きちんと報われたのか。それを確かめるべく、周助は立ち上がる。そのまま昇降口に向かおうとして、教室に鞄を置きっぱなしだったことを思い出した。未咲を避けるのにいっぱいいっぱいで、うっかり忘れていた。そしてこのうっかりが、二人を避けられない運命へと導く。
 自分の教室の扉を開けた周助は、その光景を見て愕然とする。
「あっ、やっと戻ってきた。もう、遅いよしゅーちゃん!」
「……みさ、き……⁉」
 とっくに帰宅したと思っていた幼馴染が、そこにいた。
「おまっ、どうしてここに……!」
「だって、しゅーちゃん鞄置きっぱなしだったし。用事が終わったらきっとここに戻ってくるんだろうなーって思って、待ってた」
「…………っ」
 自分のうっかりが招いた事態に、周助は歯噛みしながらこの後について慌てて思考を巡らす。ちらりと窺った窓の外の空には、まだ紅さが残っている。黄昏は終わってない。今周助と未咲が一緒に居ては、今日まで周助がやってきた努力が、味わってきた苦痛が、全て水泡に帰す。そうなる前に、はやくこの場から離れなければ。
「そ、そうか。だが、こんな時間まで待っててもらって申し訳ないんだが、まだ用事終わってなくてな。鞄を取りに来ただけで、またすぐに行かなきゃいけないんだ。そういうわけだからまた明日な、未咲!」
 一気にまくし立てると、周助は自分の席の鞄をひっつかんで教室を出ようとする。
「待って!」
 その腕を、未咲が引き止めた。
「しゅーちゃん、どうして最近私を避けようとするの?」
「っ……そ、それは……」
「プリント忘れたとか、用事があるとか、そんな嘘までついてさ。私が気付かないとでも思った?」
「…………」
「……ねえ、私なにかしちゃった? しゅーちゃんに嫌われるようなことしちゃった?」
「違う! ……そんなことは、断じてない。未咲は何も、悪くない」
「じゃあなんで――」
「もうお前が死ぬところなんて見たくないんだよ‼」
 必死に抑えていたものが、堪えていたものが、ついに決壊した。一度溢れ出した感情は止まらない。
「なんで僕は大切な人の命も救えないんだよ! 大好きな人が死んでいくのを、傍で見てることしかできないんだよ! もう、限界なんだよ! 未咲が死ぬところを見るのも、何もできない自分の無力さを見せつけられるのも‼ もう、たくさんなんだよっ‼」
 こんなことを未咲に言っても仕方がないことは分かっていた。それでも、周助は自分の口から零れ出す言葉を止めることはできなかった。
「……そっか…………しゅーちゃんも、記憶を引き継いでたんだ……」
 だが、そんな感情の発露に返ってきた未咲の答えは、衝撃的なものだった。
「……しゅーちゃん『も』って、まさかお前……!」
「……うん。知ってるよ。私がもう856回死んでることも、今が857回目のループなのも。だって、そのループを引き起こしてるのは私なんだもん」
「は…………?」
 周助は耳を疑った。入ってくる幼馴染の言葉が、信じられない。
「この力を貰ったのは、最初に私が死んだとき。正確には、死ぬ直前くらいかな。誰がくれたのかは知らないけど……確か『あまりに悲惨な運命を持つあなたに、やり直すチャンスをあげる』って言われて、時間を巻き戻す力を貰って……私だってもっと生きたいから、その力に縋った。結果はご覧の有様だけどね。でも……それがしゅーちゃんを、こんなにも苦しめてたんだね」
 周助の頭を撫でながら優しく呟く未咲。周助は未咲から語られる衝撃の真実に、固まったまま動くことができない。
「……でも、大丈夫だよ、しゅーちゃん。あと、一回だけだから」
「……あと、一回……?」
「うん。だって、時間を巻き戻すなんて奇跡、なんの代償もなしに起こせるわけないでしょ?」
 未咲は周助の頭から手を離し、窓際へ向かう。そして、紅さを失いつつある空を見上げて、告げる。
「代償は、私の記憶。一週間時間を巻き戻す度に、私の記憶は二週間ずつ消えていくの」
「なっ……!」
「そのうち限界が来ることなんて、最初からわかってたんだけどね。私の記憶が蓄積されるより、消えていく方がはやいんだから。そしてその限界が、今なんだ。私はもう、しゅーちゃんと出会ったときのことどころか、二つ前のループのことすら思い出せないの。思い出せるのはここ二週間のことと、この力に関することだけ。奇跡を起こせるのは、もうあと一回だけなんだよ」
「……そんな……!」
 全てが唐突で、理解がまるで追いつかないまま、周助を絶望に叩きこむ事実だけが次々と並べられていく。未咲の記憶が、消える? もう二週間前のことしか思い出せない? あと一回で、このループも終わり? 次もダメなら、未咲とはもう、永遠に? 同時にいくつもの考えが脳裏をよぎり、混乱が加速していく。
「だから、ね。しゅーちゃん。最後に私のお願い、聞いてくれる?」
「……お願い?」
「うん。……次の周の私には、好きなことさせてあげてくれないかな。最期はできるだけ、悔いなく終わりたいから」
 そんな未咲のお願いに、周助の混乱は全て吹き飛んだ。
「おま、最期って……! まさか、諦めんのか⁉」
「だってもう無理でしょ⁉ 今まで856回もやって、どうにもならなかったんだよ⁉ もうっ、私の運命には抗えないんだよっ‼」
「だから、死ぬのを受け入れるって言うのか⁉」
「私だって死にたくないよ‼ ……でも、856回も繰り返したらわかっちゃうよ。私はもう、ここまでなんだ、って。だったら最期くらい、楽しい思い出作って終わりたいじゃん。これまでに消えていった、しゅーちゃんとの思い出の代わりに、さ……」
「み、さき……」
 儚げに笑う未咲に、周助は何も言えなくなる。次の瞬間。
 ――教室の窓ガラスが、砕け散った。外から与えられた軟式野球ボールの衝撃で無数の鋭利な破片へと姿を変えた窓ガラスは、窓際に立つ未咲を容赦なく襲う。
「未咲っ!」
 力なく前方に倒れかけた未咲を、周助が慌てて抱き留める。その後頭部や背中にはいくつものガラスの破片が深々と突き刺さり、次から次へと紅い鮮血が流れ落ちていく。
「おい未咲! しっかりしろ、未咲ぃ‼」
「……しゅー……ちゃん……次の、ループの私…………なにも、覚えてないと思うけど…………よろ、しくね……」
 弱々しい声でそれだけ呟くと、未咲の全身から力が抜ける。周助にのしかかるその身体からは、既に体温がなくなり始めていた。
「くそ……くそっ…………くそぉっ!」
 未咲を抱いたまま慟哭する周助。その視界は、紅さを完全に失った夜空から真っ白な世界へと変わっていく。意識が、途絶える。


「…………これが最後、か……」
 いつものようにデジタル時計を確認した周助が独り呟く。
 最後のループ……858周目が始まる。
 制服に着替え終えた周助は、家を出て隣の家のインターホンを押す。ほどなくして、未咲は家から姿を現した。
「お待たせしゅーちゃん!」
「……よく、僕が『しゅーちゃん』だってわかったな」
「そりゃ、私の日記とか携帯の写真とか見たし。……って、あ」
 周助の言葉に素で返してから、未咲が慌てて口を押さえる。
「……平気だ。僕はもう……全部知ってる。今の未咲に記憶がないことも、今回のループが、最後だってことも」
 その言葉を聞き、全てを理解した様子の未咲は、口元から手を離し、小さく「……そっか」と呟いた。
「……前の周のお前から、伝言を頼まれてる。『次の周の私には、好きなことをさせてあげて』って」
「……私はもう運命に抗えないから、最期は楽しく終わろうって……そういう、ことだよね」
「…………ああ」
 頷きを返しながら、周助は拳を強く握りしめる。本当はまだ未咲の命を諦めていないし、今すぐにでもそのために動きたかった。だが……前のループの最後に見た、未咲の儚げな笑顔が張り付いて離れない。あんな表情を見せられて、あんな思いを聞かされて……未咲の『お願い』を無視できる周助ではなかった。
「……よしっ。じゃあ、今日から一週間遊び倒そう! 学校とか無視でいいよね⁉ 私しゅーちゃんとしたいこと、いっぱいあるんだからっ!」
「あ、ちょっ、未咲!」
 急に大声をあげたテンション全開の未咲が、周助の手を取って全力で走り出す。必死で未咲についていく周助は、寝る間も与えてくれそうにない幼馴染の様子に苦笑いし、ひとまずは残り少ないかもしれない未咲との時間を全力で楽しむことに決めた。

 それからの一週間、二人は学校を完全無視し、全力で遊び倒した。北海道から沖縄まで日本中あちこち旅行し、釣りしてみたり野宿してみたりヒッチハイクしてみたり富士登山してみたり、カラオケしてみたり格ゲーしてみたり喫茶店ハシゴしてみたり大人買いしてみたり。大きなことから小さなことまで、未咲がやりたいことを寝る間も惜しんで片っ端からやりまくった。散々遊び倒して財力も使い果たした七月六日の夜。二人は周助の部屋で伸び切っていた。
「……いやー、遊び倒したねー……」
「……もう、しばらくなにもしたくねえ……」
「えー、それは困るなぁ……もう一つ、やりたいことが残ってるのに」
「……なに」
「……あの、わ、私の初めて、もらって?」
「ぶっ‼」
 若干眠りかけていた周助の意識が、その一言で一瞬にして覚醒した。
「あっ、か、勘違いしてほしくないんだけど、別に処女のまま死ぬのが嫌だから誰でもいいからHしたいとか、そ、そういうのじゃないからね⁉ しゅ、しゅーちゃんとだから……したいん、だよ?」
 恥ずかしそうに頬を染めながらそんなことを言う想い人に、周助が抗えるわけがなかった。
「…………未咲」
「しゅー、ちゃん……」
 二人の顔が、自然と近づく。そして――


「……ねえ、しゅーちゃん」
 既に日付も変わった夜更け過ぎ。周助のベッドに寝転がる未咲が、同じベッドに寝転がる周助を呼ぶ。
「……どうした?」
「……私、やっぱり怖い……怖いよ……!」
 涙の入り混じるその声に、周助が未咲の方へ身体を向ける。
「死ぬってどういうこと? どういう感覚なの? なにも見えない、なにも聞こえない、なにも感じられないって、一体どういうことなのっ? みんなと……しゅーちゃんともう二度と会えないって、どういうことなの⁉ わかんないっ、わかんないよっ! 嫌だ、怖い! 死にたくない! 私死にたくないよぉ‼ しゅーちゃんと、はなれなくないよぉ……っ‼」
「未咲…………」
 周助の胸に顔をうずめて泣き叫ぶ未咲を、周助はただ撫でることしかできない。
(未咲がこんなに苦しんでるのに……どうして僕はなにもできないんだよ……‼ 未咲を救ってやれないんだよ……‼)
 無力感と絶望に胸を打ちひしがれながら、周助は窓から覗く夜空を見上げる。一際輝いていたのは、鷲座の一等星、アルタイル。別名『彦星』。だが、琴座のベガは……『織姫』は、雲の向こうに隠れて一向にその姿を見せない。それがまるで、自分たち二人の運命を暗示しているように思えて、周助は勢いよくカーテンを閉じた。


 翌日。最期の日。目を覚ました未咲は、泣きはらした跡の残る目元をこすりながら、周助に言う。
「……ねえ、しゅーちゃん。学校、いこ」
「……学校?」
「お願い。……これが、最期だから」
「…………わかった」
『最期』という未咲の言葉に、周助は頷かざるを得なかった。
 一週間ぶりの制服に身を通すと、二人はいつものように並んで学校に向かう。教室では、二人で一緒に一週間も休んでいたこともあり散々冷やかしを受けたが、未咲は終始楽しそうな様子だった。
 そんな朝のわいわいとした時間もあっという間に終わり、一限が始まる。相変わらず何度も聞いたことがあるその内容をガン無視し、周助は未咲を眺め続ける。その未咲はというと……静かに涙を流しながら、授業のノートを取っていた。
(……そう、か。今までの記憶がない未咲にとって、今日が最初で最後の……)
 その涙の理由に気付いた周助は、机の下で両の拳を強く握り締める。
(なにか……なにかないのかよっ! アイツを救い出すために、僕になにかできることは‼)
 考えて、考えて、考え抜いて。周助は一つ、出来ることを見つけた。それには、自分の全てを未咲に捧げる覚悟が必要で。しかしそんなものは、とっくの昔から固まっていて。
 そしてついに、その時が訪れる。七月七日の、黄昏時。

 放課後、別れを惜しむように目いっぱい友人たちと駄弁りまくった未咲は、周助と共に黄昏に染まる家路を歩く。
「私ね、最期はこれで終わりたかったんだ」
「……これ?」
「うん。しゅーちゃんと一緒の、帰り道。きっと、今までも数えきれないほどこうしてきたはずの、しゅーちゃんとの、なんでもない日常。これからも、ずっと続いて欲しいって、願ってた日常。……私が、なによりも一番欲しかったもの。その中で、人生を終わらせたかった……。だから、学校に行こう、なんて言ったの」
「…………そうか」
 二人の視界に、道幅には不釣り合いな大型トラックの姿が映る。
「しゅーちゃん。今までずっと、本当にありがとう。しゅーちゃんと過ごした日々は、覚えてないけど、わかるよ。すっごく、幸せだった。……本当は、もっとあなたと一緒に生きたかったけど……私はもう、時間だから。……さよなら、しゅーちゃん。永遠に愛してるよ」
 言い終えるのと同時に、未咲が道の真ん中に飛び出す。迫るトラックは既に制御不能なのか、左右に不規則に揺れながらしかし、何かに導かれるように未咲の身体へと突き進んでくる。それを、周助は黙って見ていたりなどしなかった。
「未咲っ‼」
 同じように道の真ん中に飛び出すと、未咲の身体をきつく抱き締めた。
「ちょっ、しゅーちゃん⁉ なにしてるの⁉ 早く逃げ――」
「お前独りで死なせるわけないだろ‼」
 なんとか周助を道端へ追いやろうとする未咲を力で抑え込み、周助は叫ぶ。
「僕も未咲が好きだ‼ 愛してる‼ ずっと一緒にいたいに決まってる‼ 未咲のいない未来なんか、生きる価値なんてないっ‼ 生きるも死ぬも、僕たちはずっと一緒だっ‼」
「しゅー……ちゃん……‼」
「未咲っ‼」
 二人の唇が重なる。その瞬間。
 ――重い衝撃が、二人の身体を襲う。視界は一瞬で白く染まり、思考さえままならなくなる。急速に薄れていく意識の中、二人が確かに感じていたのは、固く抱き締めたお互いの身体の感触と、触れ合う唇の柔らかな温もりだった。




 意識を取り戻した周助の目に飛び込んできたのは、真っ白な天井だった。
(……ここ、は……? 確か僕、未咲と一緒にトラックにはねられて……。……!)
 そこまで思考して、気付く。自分が、死んでいないことに。
「……は、はは…………そう、か……」
(僕は未咲と一緒に、死んでやることすらできないのか……‼)
 あれだけの衝撃を喰らいながら、まるで何事もなかったかのように正常そのものの動きをする自分の手足を怨めしそうに眺める。
 周助が居るのは、市内の総合病院の一室だった。トラックに轢かれて気を失い、そのまま搬送されたらしい。怪我はどこにもなし。……さぞ医者に驚かれたことだろう。だが、彼は、彼女は……そういう星の下に、生まれてしまったのである。
 意識を完全に取り戻した周助は、とりあえずナースコールを押す。自分の覚醒を伝えるには、これが一番だろう。明かりの点いていない病室から夜空を見上げて待つことしばし、バタバタとナースが駆け込んできた。
「星野君! 目を覚ましたのね⁉」
「……はい」
 ナースが電気を点けたため、急に明るくなった室内に反射で目を瞑りつつ、周助が答える。
「よかった! みんな心配したのよ? 大型トラックに撥ねられたのに無傷かと思ったら、三日間も目を覚まさないから。でも無事に目覚めてくれて安心したわ!」
「三日……じゃあ、今日は七月十日、ですか……?」
「そうよ。七月十日の日曜日」
「……そう、ですか……」
 ナースの回答に、周助は僅かに肩を落とす。わかってはいたが、やはりループは終わっているようだ。もう、やり直すことはできない。奇跡は、起こせない。
「……あの、聞いてもいいですか?」
「ん? なあに?」
「……未咲は、どうなりましたか……?」
 答えなんて、聞く前から分かっていた。だけど、聞かなければいけないと思った。未咲の死を、しっかりと受け止めるために。
「未咲……ああっ、一緒に事故に遭った天野さんね? あの娘なら――」
 ナースが目を伏せる。その仕草に、周助は次の言葉を覚悟する。そして――

「――しゅーちゃん‼」

 バンッ、という、病院には相応しくない豪快な音と共に、病衣を纏った少女が病室に入ってくる。その人物はもちろん。
「……みさ、き……?」
 もうこの世にはいないと思い込んでいた、最愛の幼馴染だった。
「天野さんなら、あなたと同じであんなトラックに轢かれたのに無傷よ。八日の朝には気がついて、それからずっと「しゅーちゃんはまだ目覚めませんか」「しゅーちゃんはまだ目覚めませんか」って、病院中の看護師に聞いて回ってたわ」
 ナースがそう続けたが、二人の耳には一文字も入っていなかった。完全に、お互いのことしか見えていない。
「しゅーちゃん‼ 目が覚めたんだね‼」
「未咲……‼ お前、どうして……‼」
「わかんないっ、わかんないけど私、生きてるよっ‼ あの日を過ぎても、ちゃんと生きてる‼」
 その存在を自ら証明するように、未咲は周助に正面から抱き付く。
「ああ……ああ‼ 未咲が、生きてる……‼」
 涙を流しながら、周助もその存在を確かめるように未咲を抱き返す。そこにはちゃんと、未咲が生きていた。
「ありがとう……ありがとう、しゅーちゃん! しゅーちゃんのおかげで私、まだ一緒に生きてられるよ……‼」
 とめどなく溢れ出る涙を幼馴染の病衣に零しつつ周助に微笑む未咲。それに対して周助は緩やかに首を振った。
「僕のおかげじゃない……僕と未咲で必死に闘ってきた858周の執念が、想いが、最後の最後に奇跡を起こしてくれたんだ……!」
「そっか……うん、そうだねっ! これは、私たちが二人で勝ち取った未来なんだ……‼」
 展開される二人だけの空間に呆れ返ったナースがそっと退室したことにも気付かず、二人は病室のベッドの上で見つめ合う。
「……改めて、しゅーちゃん。これからも、ずっと一緒にいてね?」
「……当たり前だ。絶対にはなさないよ、未咲」
「うんっ!」
 二人の未来を願い、誓いのキスが交わされる。
 そんな二人を祝福するように、夜空ではアルタイルとベガが美しく光り輝いていた。


 終

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第三十二回さらし文学賞 | CM(0) | TB(0) 2017.01.05(Thu) 00:00
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