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玉響

 手元に広げた文庫本へ目を落とし、頁の上に連なる文字をなぞりながら、そこで自分は待っていた。静かに沈んでいく意識の中で、そのとき、耳へ響いた放送音に意識が覚まされる。

 ――ただいま、新大岩駅で起きました人身事故の影響で、一番線の列車に遅延が……。

 俺は俯けていた顔を上げ、ホームの天井から下げられた電光板を見遣る。すると、そこに流れていく赤い文字列が確認できた。
 ……また、止まったのか。
 どうやら今日も、待っていた電車はしばらくここへは来ないらしい。しかし、そのこと自体は、さほど気に留めることでもなかった。
 ――週五で止まる、というこの路線の比喩は決して大げさなものではない。高校に入ってすぐの頃にはそのような事情を知らず、ホームルームに間に合わないのではないかと内心大いに焦らされた。
 しかし、今となってはこのような事態もどこか日常の一部のようになってしまっている。今日もいつも通り遅延した場合を想定し、駅へは早めの時間に来ていた。遅刻の心配はもうしばらくはしなくともよいだろう。
 そう考え、静かに手元へと目を戻しながら。俺は、もう一つのことを考えていた。
 先程聞いた通りなら。おそらく、今日も―― 。
 はたして、その考えは、大して長い間も置かずに正しかったことを知った。ふと、文庫本から目を離し、足元のホームへと視線を落とした俺の目に何かが小さく反射したことに気付く。無意識の内、そちらの方へ視線を向けると、其処には自分の足元から伸びる影の中でゆらゆらと揺れる淡い光があった。
 その様子をしばらくぼんやりと眺めていた俺は、ふと、学生服の裾が弱く引かれたような感覚を覚える。すぐにそちらへ顔を向けるも、そこに人影はなかった。自分の思い違いであったのだろうか。そう思い、目を伏せたその時――落とした視線の先に、小さな人物がいたことに気付く。
 そこにいたのは、俺の学生服の裾を握ったまま、こちらをじっと見つめている小さな男の子だった。
「…………」
 ……いつの間に。
 内心では大きく狼狽えながらも、それが表情に出にくい俺は、おそらく仏頂面のままその男の子を見つめた。年齢は……五、六歳くらいだろうか。身につけた質の良さそうな紺色のダッフルコートとは対照的に、履き古されたキッズスニーカーが印象に残る。
 こんなに小さい子が――一人、で?
 動揺は大きくなっていくばかりだったが、このまま黙っているわけにもいかない。俺は、こちらを見上げたまま学生服の裾を握る手の力を強くしていく男の子に、出来る限り小さな声で尋ねた。
「お前、一人……か?」
 その問いを聞いて、その子はやっとこちらから視線を外すと、首をふるふると横に振って言った。
「ううん……。おかあさんといっしょだったんだけど……どこかに、いっちゃった」
「――母さんと……」
 男の子のその言葉を聞き、俺の中で、一つの可能性が形作られる。それは……願わくば、合っていてほしくはないもので。
 しかし、このまま何もしないでこの子を放っておくわけにもいかない。こうして言葉を返した以上、その責任は持つべきだ。そう思った俺は、少し周りの様子を気にしながらも、男の子へと考えを伝えた。
「お前の母さんは……多分、ここにはいないのだと思う。だから、お前もここにいたままじゃ、駄目だ」
「……」
 俺のその言葉を聞き、男の子は不安げな表情を浮かべる。しかし、やはりそこは男の子というべきか、泣き出してしまいそうな顔をしながらも、唇をきゅっと結び涙を堪えているようだった。そんな男の子の様子に、俺は一時かけるべき言葉を見失ってしまう。すると――男の子はきっぱりとした声で言った。
「……でも、おかあさんとはぐれたときは、あんまりあるきまわっちゃだめだっておかあさんいってた」
 ……え。
 こちらを見上げて、強い眼差しでそう言い放った彼を見下ろしながら、俺の思考が一瞬止まる。しかしすぐに、嫌な予感が湧き上がってきた。いや、確かに、男の子の言ったことは正しい。正しいのだが、それは……。
「ねえ」
 再び、学生服の裾が引かれる感覚。その感覚に、思わず落とした目線の先で、こちらを見上げた男の子は言った。
「ここで……いっしょに、まっててもいい?」
 ……予感は、当たったようだった。混じり気の無い、男の子の真っ直ぐな眼差しに見つめられながら、俺はどう答えるのが正しいのかを静かに考える。
 ここでこの子を待たせておくことは、何の解決にもならないと知っていた。けれど。
 こうして待つ時間が、少しだけあってもいいのではないか――そんな風に、思ってしまって。
 俺は、思わず口にしてしまっていた。
「しばらくの……間なら」
 自分の返した言葉が、取った行動が間違っているのかどうか。俺には分からない。それは、これまでも同じことだった。
 そんな俺の言葉を聞いて、男の子は少しほっとしたように表情を和らげる。そして、こちらを見て顔を綻ばせると、俺に言った。
「ありがとう、おにいちゃん」
 ――やはり、今日も。
 男の子の笑顔を見ながら、俺は心の中でそっと呟いた。

 電車が止まってできるこの時間――俺は、これまでもよく、こうして声を掛けられた。

 今日は、声を掛けられたというより、呼ばれたと言ったほうがよいのかもしれないけれど。しかし、これほど小さな子どもに声をかけられたのは、今日が始めてだった。そのことに表情を微かに歪めた俺へ、男の子は特に気付くことはなく、俺の学生服の裾を握ったまま人々の流れていく周りの景色をきょろきょろと見回している。俺は、手元で閉じられたままの文庫本に再び目を戻すわけにもいかず、ただ、ぼんやりとホームに立っていた。
 そんな俺の隣で小さく動いていた男の子が、その動きをふと止める。ホームの観察も飽きてしまったのだろうか、そう思った俺に、彼は何気なく思いついたといった様子で尋ねてきた。
「おにいちゃん、なまえは?」
 そんな他愛ない問いに、茫とした意識のまま答えかけた俺は、ひゅ、と呼吸を一瞬つめた。
「……言えない」
 それだけを返した。普通に聞けば冷たく聞こえるだろう俺の言葉に、その子はしかし、不機嫌になったり泣きそうになったりすることはなかった。ただ、何か悪いことをしてしまった時のような表情を、その顔にぱっと浮かべた。
「あ……そっか、ごめんなさい……」
「いや……謝る必要はないんだが」
 決して、この子が悪いのではない。しかし、それは自分でもどうしようもなくて……俺は言葉を失い、俯く。男の子も、自分の言葉をまだ少し気にしているようで、しばらくの間、何も言わずにホームの地面を見つめていた。
 そんな、少しの沈黙の後。
 ホームへと、再び放送音が流れた。

 ――再び、一番線の列車をお待ちのお客様にご連絡致します。ただいま……。

 耳に響いた構内放送に、茫としかけた意識がふ、と覚まされた瞬間――いつもと変わらない駅の喧騒が、たった今生み出されたかのように耳へと流れ込んできた。
“あー、ほんとこの路線よく止まるよなあ……。間に合わねー”
 話し声。向こう側の路線を通る電車の騒音、笑い声。
“なんかーさっき言ってた人身事故、若い女の人らしいよ”
“へえ、つーかもうそんなこと拡散されてんの? まじ、情報社会の闇だわー”
 構内に響くベルの音。ため息。風の通る音。
“電車遅……。人身事故とか、こんな朝っぱらから少しは迷惑考えてほしくない?”
“そんなこと、俺に言われてもなあ……。あと何分くらいなんだろ”
 笑い声。息遣い、踏切の信号音、様々な足音……。
 そんな、変わらない喧騒の中で心が沈みかけていった時――くん、と学生服の裾が引かれる感覚に、再び意識が覚まされた。
 その感覚は言うまでもなく男の子によるもので、辺りを見回した男の子の動きに合わせて、その手に裾が引かれたようだった。
 他の路線に電車が来たのか、密度の少し大きくなった人々の流れに興味を引かれたのだろう。男の子は、その目に小さな輝きを宿し、俺を見上げて言った。
「ひとがいっぱいいるばしょって、にぎやかでたのしいよね」
 その言葉に、俺は正直に答える。
「俺は……苦手だ」
 きょとんとした表情で首を傾げる男の子からそっと目を逸らし、先程までの沈んだ意識から抜け切れていなかった俺は、思わず呟いていた。
「特にここは……知ろうとしない言葉が、多いから」
「――……」
 俺の言葉に、男の子は何も言わないまま、裾を握る手の力を少しだけ強くした。本当は、この子に言うべき言葉ではない。けれどそれは、自分がずっと思っていたことだった。今日は、尚更にその想いが、強く胸の内に沈んで。
 躊躇いながらも、このまま目を逸らしていることもできなくて、俺は男の子の顔を見た。きっと、今の俺はとても情けない表情をしている。しかし、そんな俺の言葉を聞いた男の子は、何故かふっと表情を和らげた。それが、無遠慮な俺の言葉に返すには見合わないくらい柔らかくて――俺は何も言えずにその表情を見つめてしまう。
 男の子は、そんな俺へ唐突に尋ねてきた。
「ねえ、おにいちゃん。“がっこう”って、どんなところなの?」
「えっ……」
 予想していなかった問いに少し目を丸くした俺へ、男の子は続けて尋ねてくる。
「ぼく、まだがっこう、はいってないからわからないけど……。いろんなひとがいるんでしょう? ともだちとは、いっぱいあえる?」
「……そう……だな」
 そう答えた声には、少しだけ躊躇いが含まれていた。一般的には男の子の言うとおりであるし、答えに嘘はない。だが、俺にとってはあの場所は、答えの通りとは言い難かった。
 確かに……出会いは、多いのだが。
 苦い顔をしながら答えた俺の言葉に、男の子はぱっと笑顔を輝かせると、嬉しそうに言った。
「やっぱりそうなんだ! まえに、いえのちかくにあるがっこうのまえをとおったとき、おかあさんがいってたんだ」
 その時のことを思い出したのか、男の子は声を弾ませて話し続ける。
「がっこうにいったら……いろんなことをしったり、きゅうしょくをたべたり、おともだちとあそんだりできる?」
「……うん」
 構内に満ちる騒音の中、ひどく清廉な響きを持って耳に届くその声に、自分の胸の内でそっと形作られていく小さな棘があった。その棘の正体を、自分は知っていて。
 なあ――お前は、きっと。
「そっかあ……。がっこうにはいったら、いろんなことができるんだね」
 そう言った男の子の、学生服の裾を握る手の力が弱くなるのを感じる。
 そして男の子は、ほんの少し静かに笑った。
「いいなあ。ぼくも、いってみたかったなぁ」
 その言葉を、聞いて。一つの確信を持った俺は、ゆっくりと、沈むように重い息を吐いた。

 ――それは、少し前から分かっていたことだった。
 おそらく、この子は分かっている。
 そして、分かっているからこそ、その背を押すほんの少しの何かを求めている。
 だからこそ……無垢で柔らかなその笑顔が、何よりも。

「――なあ」
 俺の呼び掛ける声に、男の子がこちらへと顔を上げる。その真っ直ぐな瞳から目を逸らすことのないように、俺は握った手に必死で力を込め、静かに彼へと尋ねた。
「お前は……母さんと、最後に離れた時を、覚えているんだろう」
 俺のその問いに、男の子は一度だけ瞬きをしてこちらを見つめる。彼は俺の問いに、けして言葉では答えなかった。しかし、静かに凪いだその目が、答えを一筋に示す。そして、その答えを知ったからこそ、分かってしまったことがあった。
 彼はきっと――このまま、ここで待っていてはいけないのだ、と。
 俺は、男の子から目を逸らさずに言葉を続ける。
「俺は……何も知らないやつだから。何かを示してやることも、導くなんてことも出来ない。そんな資格も、無い」
 結局、自分ができることなんて、これまでも、そしてきっとこれからも、自分なりの言葉を伝えることくらいで。
「けど、俺は。お前は、ここで待ち続けるんじゃなく、かえるべきなんだと思う」
 男の子の目を見つめる自分の目の奥が、どこか灼ける様に感じた。けれど、その熱さからも、きっと目を逸らしてはいけないのだと思った。
「母さんとは……同じところには、かえれないかもしれない。けれど、お前の母さんは、お前がきちんとかえるのを望んでるんじゃないか」
 止まりそうになる言葉を、逃げ出しそうになる想いを必死に留めながら……俺はそれでも、目を逸らしたくなかった。
 ――だって、かけられた声に答えたのは、自分だったのだから。
 俺は、最後に男の子へ言った。
「それでも、お前が待ち続けたいのなら。ここで、俺の出来る限り、一緒に待っててやる。けれど俺は……そんなことしか、できない」
 最後、零れるように小さく呟いた俺の言葉を聞いて。
 ずっと、こちらを見つめるばかりだった男の子が、その小さな口をそっと開いた。
「おにいちゃん、あのね」
 そう言って、俺に小さくはにかんで見せたその表情は……哀しいくらいに、笑顔の形をしていた。
「ぼく、うれしかったんだ」
 そう言って、男の子はゆっくりと言葉を続けていく。

「きょうは、すっごくひさしぶりに、おかあさんがでかけようっていって」

「ぼくのすきなでんしゃをみにいこうって。いっぱいおいしいものもたべようねって、いえをでるまえに、あたらしいようふくもきせてくれて」

 自分の身につけたコートに目を向けて、男の子は微笑んだ。

「いままでいったことなかった、いえのちかくのすっごくおいしいおみせでおむらいすをたべて。そのあと、おかあさんがてをつないでくれて、そのままえきまであるいていったんだ」

「とちゅうから、おかあさんが、おいでってぼくをだっこしてくれて。そのまま、えきのちかくのふみきりにちかづいたとき……おかあさんがね。ぼくに、ごめんねって」

 ――ずっとまえ、あぶないからはいっちゃだめだっていわれたばしょに、ぼくをだっこしたままおかあさんははいっていった。
きいたこともないおおきなおとがひびく。
 おかあさんは、ないていて。
 ぼくをだきしめるちからのつよくなったおかあさんのうでのなかで、ちかづいてくるそのひかりが。
 まぶしいな、とおもった。

 呼吸を忘れた俺に、男の子が小さな声で問う。
「おにいちゃんも……おかあさんが、わるいっていう?」
 男の子は、俺の学生服の裾を握る手に、きゅ、と力を込めて言った。
「ここにきて、おにいちゃんをみつけるまで。みんなが、そういったり、かいたり、はなしたりするのをみた」
 その言葉に、責める様な厳しさは少しもなかったけれど、だからこそ俺は、そっと息を止められるような気がした。
 構内の喧騒に自分が零してしまった言葉を聞き、表情を和らげた彼を思い返す。その時、彼は何を思ったのだろう。
「でも、いろんなひとがいろんなことをいっていたけれど……ぼくは、ひとりにならなくて、よかったとおもってる」
 そう呟いて小さく俯いた男の子は、それでも、ほんの少し困ったような顔ではにかんで言った。

「すこし、いたかったけど……おかあさんと、いっしょだったから」

 その言葉に。手を、強く握りしめた。爪が手のひらに食い込むほど強く握りしめていなければ……何かが、溢れてしまいそうだった。
 今なら、分かる。
 きっとこの子は――ほんの少し、待っていたかっただけなのだ。どうか、共に行くことは出来はしないかと。
 けれど、だからこそ、ここで待ち続けることはこの子の未来を本当の意味で止めてしまうから。俺は、男の子に言った。
 それが、自分の抱いたただの希望であると知っていたけれど。
「――すべては、廻るんだそうだ」
 俺の唐突な言葉に、男の子がきょとんとした顔で俺の顔を見上げる。俺は、顔を真っ直ぐに上げ、構内から見える空を見つめながら言った。
 どうか、今だけは、この仏頂面が少しだけでも優しくなってくれたなら。
「だから。お前がきちんとかえることが出来たなら――また、きっと会える。だから、そんときは……突然いなくなったこと、思いっきり怒ってやれ」
 俺を見上げた男の子は、一瞬その目を丸くして……初めて、本当に泣き出してしまいそうな顔をした。けれど、その表情を包み込むように、これまで見た中で一番に柔らかく、ふわりと笑って頷いた。
「……うん」
 男の子は、ずっと握りしめていた俺の学生服の裾から、そっと手を離した。そして、俺の方へ向き直ると目線を落とし、自分の着たコートをそっと握りしめる。小さく頷いた男の子は、顔を上げ、俺に言った。
「おにいちゃん」
 引かれる感覚の消えた自分の隣から、男の子の方へと視線を向けた俺の目に、彼の透った瞳が映る。
 男の子は、微笑んで言った。
「ありがとう。いっしょに、まってくれて。はなしてくれて……しってくれて」
「――……それしか、できないんだ」
「いいんだよ、おにいちゃん」
 小さな声で呟いた俺に、その子は笑った。

「それが、“ほんとうにしることのいっぽめ”なんだって。だれかが、おしえてくれたんだ」

 その言葉に、俺の視界がふるりと震える。瞬間、唐突に生まれた優しい力があった。その力が、揺らぐ視界を閉ざすように、ふっと俺の瞼を下ろしていって。
 ああ、お前は、きちんと選んだんだな。そう気付いた。

 ――……ありがとう、おにいちゃん。

 やわらかな闇の中で。温かく小さな声が響いたのを聞いた。


 目を開ける。そこにはもう、男の子はいなかった。
 俺は、彼のいた場所に視線を落とす。その場に残ったのは、先程も見た、影の中の淡い光。
 中に光揺らめくその影が――水の影に似ていると気付いたのは、つい最近のこと。
「……川、なのかな」
 零れたその声が、あまり震えていなければよいなと思う。柔らかに揺れる影を見つめながら、俺は、最後に伝えられた言葉を思い返して。
 小さく、呟いた。

「……ありがとう」

 俺も、今日。お前に少し、救われたから。

 線路の方へと顔を上げ――いつもと変わらぬ喧騒の中、俺はひとり、その中に立ち尽くす。
 線路の向こうに見える穏やかな水色の空と、動き続ける太陽の光に影を消し、照らされていく駅前の町並みを見つめる。俺の頬を、ホームへと吹き込む風が撫でていく中で。静かに、目を閉じた。

 どうぞ、安らかに。

 ――これからも俺は、こうして、出会っていくのだろう。
 それは、この世の片隅でひそやかに還っていく者たちとの、玉響の邂逅。

 そうして、ホームへと放送の音が響いた。

 ――大変長らくお待たせ致しました。七時四十六分発予定の列車、間もなく参ります……。

 電車が、やってくる。
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第三十二回さらし文学賞 | CM(0) | TB(0) 2017.01.05(Thu) 00:00
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